バイオリンの練習は音が大きく、練習場所に困る
下記記事でバイオリンをはじめるにはいくつか条件があるということを書きました。
その中の項目で練習するには場所が必要だと述べてます。
そして残念ながら、自分の家で大きな音を出せない人は、バイオリンのレッスンを受けるのがとても大変だということも。
そこで、その対処法の一つとして、「サイレントバイオリン」をご紹介します。
この記事の内容をより詳細に紹介したのが下記動画です。
お時間がある場合は、是非ともこちらをご覧ください、チャンネル登録もお願いします!
ヤマハのサイレントバイオリンとは
サイレントバイオリンというのは、ギターで言うエレキギターです。
エレキギターはアンプを繋がないとほとんど音が出ません。
同じ仕組みでエレキバイオリンというものがありますが、これも同じくアンプを繋がないと音が出ません。
サイレントバイオリンというのは、エレキバイオリンの中でもヤマハが作っている静穏性に特化した商品の商標です。
なので、ヤマハ製以外でサイレントバイオリンはありません。他はすべてエレキバイオリンです。
ヤマハのサイレントバイオリンはYSV104またはYSV104Sという型番です。
YSV104は本体のみ
YSV104Sは箱など、必要なものが付いてきます。
サイレントバイオリンはそのほとんどがプラスチックなので、普通のバイオリンより湿気や温度変化には強いため、必ずしもケースは必要ではありません。
家で練習する分にはYSV104で十分でしょう。
どこかに持ち出して使用する場合は、YSV104Sを購入してはいかがでしょうか。
YSV104のセットアップ
箱はこのような形状で届きます。


中には10ヵ国語で書かれた分厚い説遺書が入っています。使い方はこちらで詳細な説明があります。

バイオリンは弦が全部緩んでコマも倒れた状態です。

コマは本体とケーブルで繋がっているため切り離すことはできません。

コマを立てて弦を張ります。
続いてアンプユニットを繋ぎます。

上部の3か所穴にコネクタがあります。
左から順に「バイオリン接続」「外部音声接続」「イヤホン接続」となります。

ケーブル類は説明書に入っていた袋に梱包されています。

まずサイレントバイオリン側には写真の位置に出力用の穴があるのでそこにケーブルをつなぎます。

そのケーブルはアンプのバイオリンマークのコネクタへ差し込みます。
イヤホンはイヤホン端子へ差し込んでください。

コントローラーには単三電池が二本入るようになっています。

しかし電池は同梱されていませんので別途購入が必要です。
早速音を出してみます。
コントローラー側面のスイッチをONすれば、すぐ弾けるようになります。
隣にはHALLとROOMというスイッチというのがありますが、こちらはHALLにすると音にエコーが掛かったようになります。

音量は本体の裏にあるこのツマミ、そしてコントローラー側のボリュムで決めます。

これで音を出す準備は完了です。
サイレントバイオリンの評価・レビュー
YSV104の音質は本物と変わらないぐらい良い
早速イヤホンを耳に挿し、ひとしきり弾いてみた感想を述べます。
音に関しては、とても本物に近いです。
普通のバイオリンを録音したものと比較しても、聞いている分には音質の差は殆ど無いと言っていいレベルでしょう。
バイオリンを触ったことが無い人であれば、本物との差はわからないと思います。
また、先ほど紹介したサイドのスイッチをHALLにすると、名の通りホールで演奏しているような反響、音の広がりを感じることができます。
音が不安で購入に踏み切れていない方は安心してください。
弓の練習にはなるが、弱い弓の力、弱い指の力で大きな音が出てしまう
弾き心地は本物のバイオリンと同じとはいきませんでした。
音は本物と大差無いので、この弾き心地が違うという点はとても残念でした。
具体的に何が悪いのかというと、まず音の強弱の感覚が違います。
アコースティックバイオリンと比較して、抑える指の力が弱くても、弓の力が弱くても、アンプのボリュームを上げれば大きな音が出てしまいます。
これに慣れてしまうと、普通のバイオリンを弾いたときに全然音がでません。
音の出し方を忘れてしまっています。
よく言われる「ピアノを弾ける人はキーボードも弾ける、逆はできない」というのと似てると感じました。
対処法としては、ボリュームの音量を大きくし過ぎないようにしましょう。
弓の圧力調整についても、音が簡単に出てしまうので、あまり練習にはならないかもしれません
肩当て接続部の剛性が足りない
肩当て接続部がぐらぐらします。
普通のバイオリンというのは肩当てというのはバイオリンを挟み込むように接続します。
しかしこのヤマハYSV104は肩当て接続部が骨組みです。

ご覧の通りですが、この状態で肩と顎でバイオリンを保持しようとすると、この骨組みがたわんでしまい、グネグネします。
直接演奏に影響するというレベルではありません。
しかしホールドした時の安定性に不安を感じます。
AUXIN 端子に音楽を入力すれば共演できる
音源にサイレントバイオリンの音を重ねてイヤホンから聞くことができます。
アンプにはAUXINと書かれた端子があり、ここにスマートフォン等から音楽を入力すれば、その音源と一緒に演奏できます。
例えば憧れのあの曲をyoutubeで流しながら協奏することができます。
またバイオリン教本付属のお手本CDと一緒に練習なんて事も気軽に実現できます。これは非常に便利です。
他商品だと別途機材が必要な場合もありますが、ヤマハのサイレントバイオリンは付属アンプ一つでのこの機能を使うことができます。
サイレントバイオリンの音量はうるさい?アパートでも使える?
実際に使用してみた感想としては、アパートで使用できるぐらい本当に音が小さいです。
音の感覚なので、どれくらいというのを文書にするのは難しいのですが、通常のバイオリンの5分の1程度には抑えられています。
普通のバイオリンに金属ミュートを付けたときよりは確実に小さいです。
実際に私は壁の薄い寮の部屋で弾いていましたが、隣の人は聞こえないと言っていました。
夜遅くに練習するというのはさすがに気が引けますが、皆がテレビを見ている時間であればなんら問題無いかと思います。
それでいて自分の耳にはしっかり音が聞こえますので、アパートに住んでいる方にお勧めします。
youtube等には実際に普通のバイオリンと比較した動画がありますが、それを見ると「あれ?あんまり変わらない?」と感じるかもしれませんが、それは動画だからです。
実物は確実に音が小さくなりますので安心してください。
最後に
今回練習用にサイレントバイオリンを購入したのでレビューしてみました。
練習場所の問題はバイオリンを始める際の最初の関門になります。
その際はぜひこの商品を思い出してください。
コメント